先天性疾患(染色体疾患)とは|新型出生前診断(NIPT)のGeneTech株式会社

先天性疾患(染色体疾患)とは

染色体疾患とは、先天性疾患のうち染色体の変化によって起こる病気のことをいいます。 通常、ヒトの細胞には46本の染色体があり、それぞれが2本1組の対を成しています【図1】。このうち22対(44本)は常染色体と呼ばれ男女に共通しますが、残りの1対は性染色体といい、男性はXY、女性ではXXを持ちます。22対の常染色体は、大きい方から1~22 番と番号が振り分けられています(21番と22番のみ例外で、実際は21番染色体が最も小さいです)。

染色体疾患の原因は、染色体の数の変化(数的変化)や形の変化(構造変化)によるものがあり、もっとも頻度の高い変化は数的変化のトリソミー(通常2本の染色体が3本存在すること)です。出生前診断で対象となる疾患は、21番染色体が3本になるダウン症候群、18番染色体が3本になる18トリソミー、13番染色体が3本になる13トリソミーです。このように、染色体の数が増えると赤ちゃんに様々な症状が現れます【図2】。

3つのトリソミー

ここからは、新型出生前診断(NIPT)で調べることができる3つのトリソミー(ダウン症候群、18トリソミー、13トリソミー)について紹介します。

ダウン症候群

【図3】

※Gardner RJM. Chromosome abnormalities and genetic counseling. 4th ed. New York: Oxford University Press; 2011より作成

21番染色体が1本多く、3本になることが原因の染色体疾患です。出生率は、妊婦さんの年齢とともに上がります【図3】。

【図3】

※Gardner RJM. Chromosome abnormalities and genetic counseling. 4th ed. New York: Oxford University Press; 2011より作成

ダウン症候群は、先天性の心臓の疾患(約50%)や消化管の疾患(10%)などを有することがあります。しかし、事前に検査で調べることにより、産婦人科と新生児科の連携を通して、より整った体制での臨床管理、早期治療への介入と、経過観察が可能です。
出生後は小柄ですが、少しずつ成長していきます。筋肉の緊張が低下しているため、運動の発達は時間がかかります。また、知的発達は個人差があり、言葉の発達はゆっくりです。子育ての際に、より手をかけてあげることが必要なことがありますが、その子にあった赤ちゃん体操やリハビリテーション、療育により、最大限の発達を引き出すことが可能です。
また、厚生労働省の研究班のアンケート結果によると、ダウン症のある方の約9割が「幸せを感じる」という結果がでています(n=841名)。
その他の就学・就労状況のアンケート結果は【図4】に示しますが、

多くのダウン症候群があるお子さんは、支援クラスを利用しながら地元の学校、あるいは特別支援学校に通っています。
就業する方も多く、スポーツ・芸術などさまざまな分野で活躍している方もおり、社会性が保たれていることが多いです。現在の平均的な寿命は、50 ~ 60代です。

【図4】

※平成27年厚労科研研究班報告書(小西班)より作成

18トリソミー

18番染色体が1本多く、3本になることが原因の染色体疾患です。出生率は、妊婦さんの年齢とともに上がります【図3】。女児の割合がやや多く、60%を占めます。
多くの場合、先天性の心臓の疾患(90%)、消化管の疾患、口唇口蓋裂など、複数の治療が必要な合併症を有します。
赤ちゃんのときから成長障がいがありますが、少しずつ成長していきます。多くの場合、自力での歩行や言葉の使用が難しいことが多いですが、周囲のことは理解して笑顔や声で応えることが可能になります。 心臓に関連した合併症が原因で、寿命(生命予後)が短いケースが多い(1か月生きることができる赤ちゃんは50%、1年生きることができる子どもは10%)と言われますが、20歳を超えて元気な方もいらっしゃいます。

13トリソミー

13番染色体が1本多く、3本になることが原因の染色体疾患です。出生率は、妊婦さんの年齢とともに上がります【図3】。
先天性の心臓の疾患(80%)や全前脳胞症という脳の構造異常など、複数の合併症を有することがあります。
発育・発達についてはとてもゆっくりで、言葉の使用は難しいことが多いです。しかし、周囲のことは理解し、サインを使ったり笑顔や声で応えることが可能なこともあります。
13トリソミーの赤ちゃんの80%は生後1か月を迎える前に亡くなり、寿命(生命予後)は、1年生きることができる子どもは10%といわれます。

さらに詳しい情報は、臨床遺伝専門医や染色体疾患の子どもの診察の経験のある 小児科医、認定遺伝カウンセラーへお問い合わせください。

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